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岡本海外医療援助基金(Okamoto Medical Fund)|バングラデシュの医療事情

奈良県立医科大学の臨床講義でDr. Rezaと私が担当した、

"What can we do for medical support in the developing country "

というタイトルの講義でReza医師が学生に紹介した内容と写真である。

学生達は大きなインパクトを受けた様で、われわれ医師の仕事の対象が、決して自分の住んでいる
豊かな国の中に留まるものではない事を感じとってくれた。

(※掲載バングラデシュの写真は友人から送られてきた写真で、その版権者をさがしています。)

バングラデシュについて

位置

(1)バングラデシュは南アジアでミヤンマーとインドの間にある。

(2)面積は約144,000平方キロメートル。(北海道の面積に相当)

(3)人口は約1億41千万人。



バングラデシュの都心部の様子。社会経済の問題を浮き彫りにしている。


バングラデシュの病院

ダッカ市内の主に下痢を扱う病院の様子

バングラデシュの病院バングラデシュの病院では一般的な風景です。

患者の人数に対して、圧倒的に病院のベッドの数が不足しています。

下痢やコレラ、機能障害などの病気が治療されています。















ダッカ市内の主に感染症を扱う病院の様子

バングラデシュの病院多くの患者はベッド不足のために床で寝ることを余儀なくされているのです。

マラリア、腸チフス、結核などの病気がここで治療されています。

しかし、患者の人数に対する薬の数も、圧倒的に不足しているのが現状です。


















私は学生に講義を行う中で、自分達の医療レベルと比較してこのバングラデシュの現状の悲惨さから、
「われわれ人間は平等であるはず」が、どこに問題があるのか、改めて「世界人権宣言」を読みなおしてみた。

国連の世界人権宣言 第25条

 

  1. すべて人は、衣食住、医療及び必要な社会的施設等により、自己及び家族の健康及び福祉に十分な生活水準を
    保持する権利並びに失業、疾病、心身障害、配偶者の死亡、老齢その他不可抗力による生活不能の場合は、
    保障を受ける権利を有する。
  2. 母と子は、特別の保護及び援助を受ける権利を有する。すべての児童は、嫡出であると否とを問わず、
    同じ社会的保護を受ける。

(1948年12月10日、国際連合総会採択)


バングラデシュのノーベル平和賞受賞者

 

muhammad yunus

Dr.Reza医師からこのノーベル平和賞の話を聞いて読んだ本であるが、ムハメド・ユヌス氏はDr. Reza の母校(Chittagong University)の学長で、少しの資金を貸すことで 貧困にあえぐ人々の自立を促し、多くの人々を貧困から救った事でノーベル賞 を受賞した。

私はこの本に感銘を受け、医療でも同じシステムが可能ではないかと考えるに到った。すなわち診療所が建設できる資金を提供することで、現地の医師がそれを基に現地で医療の自立ができるのではないかと。




COVID-19感染症バングラデシュの惨状

 

Okamoto Medical Center Bangladesh からの報告

 

岡本内科こどもクリニック
畿央大学客員教授
岡本新悟

 

 COVID-19感染症第4波の終息が見えない今、感染の恐怖に怯えながら国の無策にほとほと諦めの気運が広がっているのが現状である。このようなとき発展途上国の感染状況に目を向ける気も起きてこないが、私は医療支援としてバングラデシュに医療施設 Okamoto Medical Center Bangladesh を寄付し、管理していることから他人事ではないと思っている。

 そして多くの方々からバングラデシュの病院は大丈夫ですか、院長のレザ先生はお元気ですかと心配して頂き援助のための寄付を頂いている。そのためレザ医師に寄付をいただいた方々への感謝の気持ちを込めてバングラデシュとセンターの現状を簡単に報告するようにと伝えた。

 早速彼から下記の原稿が送られてきて安心した。それは1か月前にレザ医師と彼のお母さまがCOVID-19に感染して重症に陥るも回復し、元気を取り戻し今は多くの患者さんを診ているとのことであった。Okamoto Medical Center の発展は彼の双肩にかかっており、彼が倒れたならガジプールで唯一の医療機関が消滅してしまうかもしれないからである。彼の回復を聞いてほっとするとともに、彼からの報告から発展途上国であるバングラデシュの人々にとって COVID-19感染症がいかに悲惨なものであるか容易に想像できた。国民の20%は日雇いでその日の食事もままならないところで、国によるロックダウンで行き場のない貧し人々が感染に怯えながら食べ物を探し求めている姿が目に浮かぶのである。

 そのような惨状を知って私も年金の一部を拠出し、多くの方々からのマンゴー基金への寄付金を急遽コロナ対策支援に使わせていただくことにした。そして「最も貧しい人からわずかなりとも生きる糧となるように分配してあげてほしい」と伝えた。彼は私の思いを必ず実行に移してくれる男でイスラムの教えのもと、きっと医師としての使命感を持って多くの貧し人々を助けてくれると信じている。そのためここに彼のCOVID-19感染症奮戦記を掲載していただくことにした。

 


Pandemic of COVID – 19 Infections in Bangladesh

岡本海外医療援助基金

お問合せ先:岡本内科こどもクリニック 

 TEL 0744-42-4152

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